1. 夏の終わりに
お盆休みも明け、少しずつ日常が戻ってくる8月中旬。そんな季節には、少し特別な出来事を期待したくなりませんか?今年の夏の終わり、競馬ファンにとっては特に注目すべき一日が近づいています。8月21日(日本時間 23時35分頃)、英国のヨーク競馬場で開催されるG1レース「第53回インターナショナルS」がその特別な一日となるでしょう。そして、日本からは昨年の菊花賞馬「ドゥレッツァ」が参戦予定です。
2. ヨーク競馬場とインターナショナルSの歴史
ヨーク競馬場は、1731年に初めてレースが開催されたイギリス北部の名門競馬場のひとつです。毎年8月に行われる「イボアフェスティバル」の初日に、インターナショナルSが組まれており、このレースは欧州競馬の芝中距離路線で重要な位置を占めています。左回りの芝コースで、コースはほぼ平坦。最後の直線は約900メートルと長く、馬の能力がそのまま結果に反映されやすいとされています。
2009年にシーザスターズがこのレースで記録した勝ち時計2分05秒29は、未だにコースレコードとして残っています。過去にはゼンノロブロイ(2005年)やシュヴァルグラン(2019年)など、日本馬も挑戦してきましたが、勝利には至っていません。しかし、今年はドゥレッツァがその流れを変えるべく、再び挑戦します。
3. ドゥレッツァの挑戦 – 菊花賞馬の意地
昨年の菊花賞を制したドゥレッツァは、その後の天皇賞・春で15着という苦戦を強いられましたが、今回はそのリベンジを果たすべく英国に渡りました。7月には福島県のノーザンファーム天栄で調整を行い、状態も上向いているという。8月2日に現地入りし、最終調整を無事に終えたドゥレッツァは、ヨーク競馬場での最終キャンターを経て、尾関調教師からも「良い仕上がり」との太鼓判をもらっています。
4. 海外遠征の意義とインターナショナルSの魅力
夏のこの時期に海外遠征を行うのは、日本競馬界でも珍しいケースです。しかし、陣営側は、この挑戦が今年のジャパンCへの準備としても最適だと判断しました。英インターナショナルSは、ジャパンCへのステップレースとしても理想的な舞台です。さらに、このレースで好成績を収めれば、種牡馬としての価値も高まります。
ヨーク競馬場は、日本の競馬場に近い平坦なコースであり、日本馬にとって力を発揮しやすい環境です。英国の夏は涼しく、気温も20度前後と、日本の暑さとは違い、ドゥレッツァにとっても快適なコンディションが期待されます。
5. 日本競馬界の未来を背負って
ドゥレッツァの挑戦は、単なる一戦にとどまらず、日本競馬界全体にとっても重要な試金石となるでしょう。結果がどうであれ、この挑戦は日本競馬に新たな道を切り開く可能性があります。尾関調教師も「チャレンジすることに意味がある」と語っていますが、その言葉通り、今回の遠征は日本競馬の未来を示すものになるかもしれません。
6. 最後に
夏の終わりに、この特別なレースを見逃す手はありません。8月21日、日本時間23時35分、ドゥレッツァが世界に挑む瞬間を、ぜひ見届けてください。