秋の始まりとともに…
9月の初め、まだ夏の名残が残る中山競馬場で、2024年秋競馬の幕開けが告げられました。気温は少しずつ穏やかになり、競馬ファンにとっては心躍る季節です。この時期は特に、牝馬クラシック最終戦「秋華賞」への道が開かれる大切な時期でもあります。そんな中、9月7日に行われた「紫苑ステークス(GⅡ)」は、まさに秋競馬を象徴する一戦となりました。
5番人気クリスマスパレードの快進撃
このレースで最も注目を集めたのは、5番人気のクリスマスパレード。この牝馬は2番手を追走し、驚異的なレースパフォーマンスでレコードを更新し、重賞初勝利を飾りました。勝ちタイムはなんと1分56秒6。これは、今年の皐月賞でジャスティンミラノが樹立した記録を0秒5も更新するコースレコードでした。レース後、騎乗した石川裕紀人騎手も「びっくりしました」と語るほどの快走で、場内を湧かせました。
レース展開
スタートから好位置につけたクリスマスパレードは、前半1000メートルを58秒8で駆け抜け、スムーズに2番手を追走。逃げ馬を見る形で展開し、直線に入ると早めに先頭に立ち、後方から追い上げるミアネーロを首差で退けました。このレースでは、石川騎手の冷静な判断とクリスマスパレードの持久力が光りました。彼は「道中で気負うことなく走れたのが勝因」と語り、レース内容に対して「100点」と自信を持って振り返っていました。
次なる挑戦:秋華賞へ
紫苑Sは、牝馬クラシックの最終戦・秋華賞(10月13日・京都)へのトライアルレースです。このレースでクリスマスパレードは秋華賞への優先出走権を獲得。春のクラシック戦線には出走できなかったものの、ここで見せた圧倒的なパフォーマンスから、秋華賞での活躍が期待されています。加藤士調教師も「この先も明るい未来が待っている」と、今後の活躍に自信をのぞかせました。
2着、3着馬の奮闘
2着に入ったのはミアネーロ。最内枠からのスタートでしたが、中団後方で脚を溜め、直線でメンバー最速タイの上がり3F33秒0を叩き出し、勝ち馬に肉薄する素晴らしい追い上げを見せました。騎乗した津村騎手も「惜しかった」と悔しさをにじませつつも、そのパフォーマンスを称賛しました。
3着は1番人気のボンドガール。武豊騎手の手綱で後方11番手からの追い込みでしたが、最後の直線で進路がなかなか開かず、上がり最速ながらも3着にとどまりました。秋華賞出走権は確保しましたが、今後の本番での巻き返しに期待がかかります。
今後の展望
秋華賞の優先出走権を手にした上位3頭は、それぞれの強みを見せつけました。特に、クリスマスパレードはこのレースで3戦3勝と相性抜群の中山競馬場で力を発揮しました。秋華賞本番は京都競馬場で行われますが、今回の結果を見る限り、牝馬クラシック最終戦でも有力馬として注目されることでしょう。
レース後、石川騎手は「まだ気性的に幼い部分もありますが、これからの成長に期待しています」と話しており、クリスマスパレードの成長とともに、この秋の戦いもますます楽しみになりそうです。
最後に
9月の競馬シーズンがいよいよ本格化し、各馬の活躍が期待される中で、今回の紫苑Sはその始まりにふさわしい名勝負となりました。秋の大舞台、秋華賞に向けて、これからのレース展開にも目が離せません。皆さんもぜひ、これからの競馬に注目してください!